生活保護における世帯分離

 今回は、「生活保護のため」の世帯分離です。
 正確にいえば、「受給目的のための世帯分離」ではなく、「福祉事務所が、生活困窮者を救済するために関連機関と調整・措置するための世帯分離」と言ったほうがよいですか。
 後日述べる予定の介護保険等とは質が異なります。

 生活保護は世帯単位で保護を受けられるか否かが決まります。これは、生活困窮という状態が、個人というよりは生計を同一にしている世帯全体を見て初めて把握されるという社会通年に基づくものです。
 「世帯」とは、同じ住宅に住んで、生計を共にしている者の集まりです。入院している人がいても、いずれ退院して戻ってくる場合は同一世帯となります。
 しかし、例外的に世帯の一部を他の同居家族と分けて保護することがあります。例えば、入院が長くなり退院の見込みがなく、医療費が家族の生活を圧迫している場合には、入院している人だけを分けて保護することがあります。福祉事務所が、世帯の状況等を鑑みて指導することがあります。この場合、生活保護の担当が事情を住民基本台帳担当に説明した上で、本人または家族等が世帯分離の手続きを行います。

 このケースで、まれに老人保健においても負担判定の変更があることがあるので、注意が必要です。

 また、世帯を分けず、同じ世帯であっても、そのなかのだれかを別世帯あつかいとし、それ以外の生活保護を必要としている世帯月の収入を生活保護基準と比較して、保護費を決めることがあります。(こちらのほうが、老人保健担当にはなじみかもしれません)