大阪府の監査業務の『民間開放』

 大阪府では、公共サービスの質の向上と効率化を実現する取組みとして「大阪版市場化テスト」を推進しています。
 大阪府監査委員事務局では、去る9月24日に公表した「大阪版市場化テスト対象業務の民間開放」において、民間開放の実施が決定された「監査業務」について、大阪府監査委員事務局監査業務の一部を外部委託することとし、委託予定者(事業者)をプロポーザル方式により募集しますのでお知らせします。
 委託予定者は、有識者で構成する「大阪府監査委員事務局監査業務委託予定者選定委員会」において選定します。


「大阪府監査委員事務局監査業務」委託予定者の募集

 監査委員は、監査を行うために地方自治法に基づいて設置されている独任制の機関です。監査委員は、長(知事・市町村長)の指揮監督を受けずに独立した立場で監査を行います。監査委員の選出は、監査委員は、人格が高潔で行政運営に関し優れた識見を有する者と議員のうちから、議会の同意を得て、長が選任します。
 特に議会選出の監査委員は、事業の目的や性質と執行状況について所見を述べる立場にあり、民の立場から所見をまとめる役割を担っていたと思います。今回の府知事の経過の報告や方針に対し、府議会の反応がどのように示されるかが焦点となります。議会選出監査委員のチェック機能についての問題点とそれをどう改善するか示すかどうか、も取り組むべき課題といえます。


 新聞記事をみる限りには、民間登用ではなく民間開放(業務委託?)という形のようですので、契約方法や委託事業の検査等をどのように実施するか気になるところです。


 また、監査においてはどのように委託完了検査を実施したか、検査方法に問題はないかについても監査対象とされるので、こういった業務を外部委託に出したときにどのように監査を実施するか、大阪府の手法にも注目したいと思います。


 監査委員事務局のそもそもの問題となった事件、それに対する公認会計士らを監査委員事務局に採用という改善に向けた取り組みを既に実施してきた上で、今後監査業務の何を委託するのか、これまでの取り組みをどう評価し改善が図れた事柄が民間開放した場合どうなるのかということも大事だと思います。