第4回マニフェスト大賞の受賞者が決まった

■最優秀成果賞
福島県会津若松市議会

◇検討・検証、市民とサイクル

 福島県会津若松市議会(定数30)は、戊辰戦争の悲劇で知られる城下町の市民12万7700人の代表との思いから、「議会基本条例の活用による新たな『政策形成サイクル』の構築と実践」を提案した。市民の意見を議会の意思決定に反映させ、よりよい街づくりを実現しようという試みだ。

 この基礎となったのが、08年6月に制定した市議会基本条例だ。議会内に新しく広報広聴委員会を設けるとともに、市民との意見交換会と議員同士の政策討論会を議会の機能として明確化した。
「サイクル」は、市民との意見交換会が起点となる。毎年度2回、全市議が5班に分かれて15会場へ出向き、議会活動を報告するとともに市民の意見や提言を聞く。その中から広報広聴委が市政上の課題を見つけ出し、行財政▽医療・福祉▽産業・経済などの分野別に整理する。

 こうした課題は、継続して開かれる議員の政策討論会の分科会や全体会に持ち込まれ条例制定や議案修正などを検討する。議論の結果や施策の効果は再び市民との意見交換会で報告されサイクルが一巡。さらに意見を吸収し、議論を循環させる。昨年8月から計3回の意見交換会には、市民延べ837人が参加し、716の意見が寄せられた。

 田沢豊彦議長(57)は「まだ具体的な政策立案はないが、水道事業の民間委託など市民の意思を踏まえた議決例はある。より多くの市民の参加を求め、定着させたい」と話している。



http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091107ddm010040076000c.html


 形の違いこそあれ、市民の意見を市政に反映させることも議会の役割のひとつです。議長のコメントにもあるとおり、具体的な政策立案をどのようにすすめていくのかが今後の課題のひとつだと思います。

 ここで言うのは議員から市長に話をした、という方法ではなく、議会としてどのような形で示すか、というもの。議会運営上円滑に進むものばかりではありませんが、どのような政策を打ち出し実現させるのか、今後も注目したいと思います。

 また、議会のこういう取り組みも、検証・評価するサイクルとして議会議員選挙というものがあることを、住民の方に理解していただくことも大切かと思います。