不適切政務調査費の返還要求

 前橋市議会(定数43)の一部会派が政務調査費を不適切に支出していた問題で、同市は5日、最大会派の清新クラブ(13人)と、同会派に合流するなどした4会派を相手に、約7100万円の返還を求める訴訟を起こす方針を決めた。総務省は「政調費の不適切支出で、市が市議会会派を訴えるという前例は把握していない」としている。

 提訴には市議会の議決が必要で、市は16日に臨時市議会を開いて関連議案を提出する。地方自治法は、利害関係のある議員は採決に参加できないとしており、可決の公算が大きい。清新クの立見賢三幹事長は毎日新聞の取材に「使途は適切だったと司法の場でも訴えたい」と主張している。

 不適切支出を巡っては8月、収支報告書に支出を証明する領収書が添付されていないなどとして、市監査委員が約6300万円の条例・規則違反を指摘。市は10月29日を期限に返還するよう督促したが、清新クなどは「不適切ではない」として応じなかった。このため市は提訴を決め、遅延損害金を加えた約7100万円の返還を求める。


http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091106ddm041010058000c.html

 総務省のコメントとおり、訴訟にまでなるという事例はあまりないと思います。政務調査費の額の大小に違いはあれ、ほとんどの議員さんはきちんと領収書の写しを添付して書類を提出されていますから。そういえば、同じ領収書をコピーして異なる政治団体からの報告に使用していた事例もありましたが、やはりごまかすことは難しいと思います。それに指摘を受けた場合には、すみやかに返還されているとばかり思っていました。総務省ではその数字を把握しているのかどうかわかりませんが、確かに訴訟にまで持ち込まれるという話はあまり聞いたことがありません。

 不適切な執行でないことを確認させるために領収書の添付を義務付けているのであれば、使途を証明する領収書をつけなければ内容が確認できませんので、市当局としては返還を求め、応じない場合にはそれなりの対応をとることになると思います。前橋市が起こす訴訟に対しても、いつどこで使ったか、それをどうして提出できないか、という点を議員の方々は示さなければならないかと思います。

 この記事で気になったのが遅延損害金を求めた点。一部会派の方々の支払いが遅れれば、遅延損害金も徐々に増えていくんですよね。不適切な執行でないことを証明できる資料を再提出しなければ、支払い金額も増加していくことになるので、議員の方々は注意されたほうがよろしいかと思います。